兄弟間における相続トラブル
兄弟間における相続トラブル
相続トラブルでもめる場合は、兄弟同士でもめるケースが一番多いです。
親と子でもめるケースは少ないです。
今回は兄弟間におけるよくある相続トラブルに発展する火種を知っていただき、事前に争続対策として準備していただけたらと思います。
ケース1
「両親の介護への関わり方に兄弟間で偏りがある」場合です。
介護が必要になる頃には、それを支えるご家族に多大な負担がかかってきます。
介護施設に入れるのも一苦労ですし、自宅で介護となるとさらに負担は大きくなります。
この負担は親と一緒に暮らしている、もしくは近いところに住んでいる兄弟に重くのしかかります。
それなのに「それでじゃぁ遺産は兄弟平等に等分にしましょう」と言われてしまうと、介護を担っていた兄弟の心象は悪くなってしまいます。
そうならないためにも、ご両親がご存命かつ判断能力のあるうちに、遺言書で介護をしてくれた側に少しでも相続が有利に働くように言葉を添えてあげると良いでしょう。
その一言があるだけで実際に相続が発生した後に兄弟間でもめるリスクは低くなります。
ケース2
「相続遺産が不動産しかない」場合です。
不動産しか遺産がない場合、兄弟の頭数できれいに割ることができずに手間がかかります。
自宅等を売却してそれを現金化できれば簡潔に話はまとまりやすいでしょう。
ですが、そこで「生まれ育った実家を手放してほしくない!でも、自分にはきちんと相続分の金銭を欲しい」こうした主張が兄弟から出てくることもあります。
また、相続不動産が収益不動産だった場合はどうでしょう。
売らずに手元に置いておく場合には価値を決める基準でもめやすいです。
相場できめるのか?それとも、相続税路線価で決めるのか?現物を相続せずに他の相続人から金銭などの支払いで相続の調整をする代償分割ではこの価値基準をめぐってもめごとが長く深刻化しやすいです。
相続遺産が不動産しかない場合は、親がご存命中にきちんと遺言書や家族信託等で何らかの対策をしておくことが、相続発生後の兄弟関係を良好に保つために必要です。