遺言を作成するタイミング
1 作成は早ければ早いほど良い
遺言を作成するタイミングは、結論からいえば、早ければ早いほど良いということになります。
今は心身ともに健康であっても、明日不慮の事故によって亡くなってしまったり、健康を害してしまう可能性が無いとは言い切れません。
遺言は遺言者の意思に基づいて作成されることが大前提となりますが、亡くなってしまったり、病気や事故により意思能力が無くなってしまった場合には、遺言を作成することはできません。
健康で、正常な判断ができるうちに遺言を作成しておくことが肝要となります。
また、ライフステージに応じて遺言の作成・見直しをするべきタイミングがありますので、以下を参考にしてください。
2 家族構成に変化が起きたとき
結婚したときや子供が生まれたとき等、家族構成に変化が生じたときは遺言を作成するべきタイミングの一つです。
家族構成に変化があれば、法定相続分にも変化が生じます。
配偶者と子供の場合、配偶者は遺産の2分の1、子供も2分の1の法定相続分を有しています。
もし、新たに子供が生まれたら、子供の法定相続分はそれぞれ4分の1(2分の1×2分の1)となります。
法定相続分も考慮に入れながら、自分の遺産を誰に何をどれくらい遺すのかということを考えることが必要になります。
3 健康状態に不安を覚えたとき
認知能力が低下してしまうと、遺言を作成することはできなくなります。
成年後見人が付いた場合には、認知能力が低下した本人の財産の管理については成年後見人が行うことになりますが、成年後見人であっても遺言を作成することはできません。
したがって、被成年後見人の認知能力が低下する前に、たとえ法定相続分と異なった遺産の分け方を望んでいたとしても、その希望を実現することはできなくなってしまいます。
このように遺言はまずできるだけ早くに作成し、ライフステージに応じて見直しすることをおすすめします。
遺言の作成には、相続分野の専門的な知識が欠かせませんので、相続に詳しい専門家にご相談ください。