公正証書遺言
公正証書遺言とは
「公正証書遺言」とは、遺言の内容を公証人に伝えて遺言書を作成してくれるものです。
原則的に公証役場でつくります。
2人以上の証人(相続において利害の生じない人。相続人は不可。)の立ち会いのもと、公証人が作成し、遺言を遺す人が記載内容に間違いがないかを確認して最後に押印・署名することで完成します。
公正証書遺言は何よりも高い信用性があるのが最大の魅力です。公証人が遺言書作成を手がけてくれるため、遺言書が無効になる可能性が低いです。
作成にあたっては本人確認等も厳重にされます。自筆証書遺言で必要な家庭裁判所での検認も不要です。
メリット
この信用性の高さから、遺言者が高齢により体がうまく動かずに遺言書作成が難しい場合に公正証書遺言は非常に有効です。
高齢になり握力がなくなりきれいに押印することが難しくい場合があることや、手が不自由になり署名も困難になることもあります。
そうした場合に家族が代理で押印や署名をしてしまうとその遺言書は無効となります。公正証書遺言の場合は、事前に依頼しておけば公証人が代わりに押印・署名をすることが可能です。遺言者本人の意思を公証人が確認した証拠にもなるので、遺産分けで揉めそうな場合にも公正証書遺言はおすすめです。
本人が病気などを理由として公証役場に出向くことが難しい場合は、公証人が自宅や病院に出張することも可能です。
遺言の作成依頼者の手元には、遺言書の正本と証人が確認した謄本がわたりますので大切に保管します。
原本は公証役場で原則20年間は保管されます。実際の相続手続きは正本・謄本をもとに行いますが、原本が公証役場にあることで遺言書を紛失・隠匿・改ざんされる心配がありません。
費用等
公正証書遺言作成にあたっては費用が発生します。
かかるのは公証役場に支払う手数料や司法書士、行政書士などの専門家に依頼した場合にかかる費用等です。
金銭的負担は発生しますが、公正証書遺言は非常に便利な制度ですのでぜひご自分の状況にあわせてご活用ください。