自筆証書遺言書の保管制度
自筆証書遺言書の保管制度
相続のトラブル回避のためには遺言書が有効です。
しかし、せっかく遺言書を用意しても、その遺言書を失くさずに保管しておけるかという心配もあります。
認知症が進行して家が物であふれてしまい、亡くなったあとに遺言書が発見されない…といったことにもなりかねません。
また、一部の相続人による遺言書の破棄・隠蔽・改ざん等される心配もあります。
では何か対策はあるのでしょうか。
自筆証書遺言書の保管制度とは
そのような事態にならないために「自筆証書遺言書の保管制度」があります。
この制度は、自分で作成した遺言書を法務局が保管してくれる制度です。
大きなメリットは4つあります。
①遺言書を紛失防止、相続人やその関係者による遺言書の破棄・隠蔽・改ざんを防ぐことができます。
②相続開始後、家庭裁判所における検認が不要です
遺言書を自宅で保管していた場合は家庭裁判所で検認が必要ですが、法務局で保管してもらっていた場合はそれが不要となります。
③相続開始後、相続人等の方々は、法務局において遺言書を閲覧、遺言書情報証明書の交付が受けられます。
遺言書をデータでも管理しているため、全国どこの法務局からでもデータによる遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付が受けられます。
遺言書の原本は、保管所で遺言者の死後50年間保存してくれます。
④通知制度を利用できます。
「関係遺言書保管通知」と「指定者通知」の二種類の通知があります。
「関係遺言書保管通知」の制度は、相続人等のうち誰かひとりが遺言書保管所で遺言書を閲覧したり、遺言書情報証明書の交付を受けると、その他の相続人全員に保管所に遺言が保管されていることを通知してくれます。
「指定者通知」の制度は、遺言者の死亡を法務局が確認すると、あらかじめ指定しておいた人に遺言書が保管所にあることを通知してくれます。
「自筆証書遺言書の保管制度」は制度利用時の3900円のみの負担で遺言書を安全・確実に保管し、死後に相続人に遺言書を届けることができます。大切な遺言書を守る制度として自筆証書遺言を検討する際はぜひご活用ください。