相続が争族にならないための事前準備
事前準備としての遺言書
遺言書で遺産の配分を明確に示すことで後々の家族同士のトラブルを回避できます。
遺言書がある場合は故人の意思が反映されている遺言書の内容にしたがって相続が行われます。
そのため、もめる可能性も極めて低くなります(極端な内容は逆にもめる原因にもなりますが)。
遺言書がない場合は、遺産分割協議による相続になってしまいます。
相続をめぐるトラブルになるのは大半がこのケースです。
遺産分割協議による相続では、相続人全員の同意が必要になるためもめ事が起こりやすいです。 遺言書を早めに準備し自分の意思を文書として残しておくことで争族を回避することができます。
遺言があるのにもめてしまう場合
遺言書として意思を残してももめるケースもあります。
例えば相続人がしらない情報が遺言書から出てくる場合です。
・実は愛人との間に認知された隠し子がおり、法定相続人に含まれていた。
・前妻に養育費を支払ってこなかった分、前妻との間の子に少し多く遺産を争族させたい。
・実は家族には黙っていた負債があり、自宅を相続する長男に負債も請負ってもらう。
このように遺言書を開いたら自分の知らない故人の情報を知らされて困惑してしまうこともあります。
これらの原因は、遺言書作成者の遺族への心理的な甘えです。
「家族なら許してくれるだろう」、「遺産は多く残したのだから文句はないだろう」、「一番高額な自宅を相続させるのだから負債も相続しても文句はないだろう」。
その遺言者の希望的観測で遺された家族は精神的負担を背負うことになります。
まとめ
遺言書を作成するにあたっては、人生の棚卸し作業として家族に自身が遺すものを全て報告するのがひとつの義務でもあります。
家族ならば許してくれるだろうという甘えは捨てて、対話を重ねた上で遺言書作成にあたっていきましょう。
遺言書は一方的な意思を伝えるための手段ではなく、遺された家族が不幸にならないための最後の指針として遺すようにしましょう。