遺言書等の生前の準備が無い場合の相続財産の探し方

文責:司法書士 岡田 智大

最終更新日:2023年07月26日

遺言書等の生前の準備が無い場合の相続財産の探し方

 突然家族が亡くなった場合、まずは遺言書・遺族にあてた書き置き・財産のとりまとめ等が無いかを探しましょう。

 見つからなければ、遺族たちで相続財産に関わる文書や証書、物品そのものを自分たちで探し出して整理していく必要があります。

財産の種類

 見つけ出したい財産の主なものは大きく3つに分けられます。

1. 銀行預金通帳

2. 不動産の権利証

3. 証券会社や信託銀行の報告文書など

銀行預金通帳から被相続人の銀行預金を探す方法

 預金通帳が見つかれば、まずはその銀行で記帳をし、口座の実際の残高を確認します。

 通帳に書いてある支店じゃなくても残高確認は可能ですができるだけその支店に行くことをお薦めします。

 亡くなった家族がずっと記帳をしていなかったということもあるので、記帳前の通帳の額面で早合点をしないようにしましょう。

 発見した通帳の預金口座以外にも別の口座を持っている可能性がある場合は銀行で「名寄せ」を頼むことができます。

 「名寄せ」というのは、被相続人がその銀行で解説している口座と預け入れ残高のすべてをまとめて記録する作業です。

 同一人の預金を合算し預金保険で保護される預金額を確定させます。

名寄依頼

①名寄せを依頼するには、次の3点が必要です。

②亡くなった人との続柄を証明する依頼者の戸籍謄本

③相続が生じたことを証明する亡くなった人の戸籍(除籍)謄本

④本人確認のための依頼者の免許証

 名寄せは、通帳がなくて依頼することができます。そのため、ほかの銀行にも口座がありそうだと踏んだ場合は、その銀行に出向いて名寄せを依頼しましょう。

 名寄せを行ったら取引明細書で残高の変動も確認しておきましょう。

 不自然な預金の引き出しの履歴から、一部の相続人による使い込みが判明することもあります。

 使い込みの立証や話し合いには時間がかかるケースが多くあります。

 使い込みが判明した場合はまずは使い込んだ本人と話し合い、預貯金の返還を求めましょう。

 使い込みの返還には時効があるため、早めの行動が必要です。

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