遺産分割について

文責:司法書士 岡田 智大

最終更新日:2023年04月27日

1 遺産分割

 被相続人が亡くなると、遺産分割協議を行う必要があります。

 公正証書遺言や自筆証書遺言など有効な遺言書が存在し、なおかつそこに遺産分割について指示がある場合は、原則として遺言書の記載に従います。

 しかし、遺言書が存在しない場合は、原則として相続人全員で遺産分割の協議をする必要があります。

2 遺産分割の方法

 この遺産分割協議は相続人全員で行う必要があります。

 相続放棄をした者を除いて、相続人である以上は必ず分割協議に関与する必要があります。

 行方不明者、未成年者、認知症の相続人であっても、親権者か特別代理人、成年後見人などが代理として遺産分割協議に参加しなくてはいけません。

 遺産分割協議において、1人でも合意しない・参加しない相続人がいる場合は協議が成立しません。

3 遺産分割協議が整わない場合

 遺産分割協議が整わない場合には家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。

 調停は家事審判官と調停委員で組織される調停委員会が中立の立場で取り仕切ります。

 この調停委員会はどの当事者にも与しない公正な立場で手続きを進めます。

 当事者たちから事情を聴取し、当事者たちの希望を踏まえて解決のために合意を目指す話し合いを行います。

 調停には約半年ほどかかることが多いので、相続税を申告しなければいけないケースの相続の場合には申告・納税の期限についても注意しなければいけません。

 相続税の申告・納税の期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)の翌日から10ヶ月以内です。

 課税価額が基礎控除を上回る場合や各種課税減額の特例を受ける場合には、必ず申告書を提出しなければいけないので注意しましょう。

 また、遺産分割調停でも折り合いがつかない・解決できない場合は、家庭裁判所でそのまま審判手続に移行します。

 この審判手続は調停とは違い、裁判官が法律に則り遺産・権利の種類・各自の事情を考慮した上で審判を行います。

 三審まで上訴することはできますが、この裁判官の審判が遺産分割協議の最終決定となります。

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