遺言書の種類と作成方法について

文責:司法書士 岡田 智大

最終更新日:2022年10月18日

1 遺言書の作成について

 本日は遺言書作成についてお話します。

 個人が亡くなると、遺言書が無くても法定相続によって遺族に財産が分与されます(通常であれば配偶者と子供に分配されます)。

 しかし、遺言書を作成しておくことで、自分の亡くなった後に財産を誰に・どのように残したいかを正確に伝えることができます。

 「法定相続人以外に財産を遺したい」、「特定の財産を相続する人を指定したい」、「遺産をめぐるトラブルを回避させたい」こうしたお気持ちがある場合は遺言書作成をおすすめいたします。

 遺言書には2種類、自分で作成する自筆証書遺言と公証役場で作成する公正証書遺言があります。

 それぞれ詳しく見ていきましょう。

2 自筆証書遺言

 自筆証書遺言は遺言者(遺産を残す本人)が全文を自筆で書き上げ押印する遺言です。

 本文は手書き以外認められませんが、財産目録はパソコンや代筆が認められるようになりました(財産目録の各ページはパソコンで打ち込んでもそれぞれに署名と捺印が必要です)。

 他の遺言よりも費用がかからず、手間も少ないのが自筆証書遺言のメリットです。

 ご自身の元で遺言書を保管・管理するため、いつでも書き直し可能、遺言書の内容を秘密にしておくことができます。

 ですがその反面、デメリットもあります。

 自筆証書遺言が効力を発揮するためには、諸々の要件を満たしている必要があります。

 作成前に遺言書作成のための知識の収集が必要となります。

 ご自身で保管・管理をするため、紛失や、他者による書き換え・偽造の恐れもあります。

 また相続人が遺言書を見つけて勝手に開封されたりしてしまうリスクがあります。

 保管しておく場所によっては亡くなられても遺言書が見つけてもらえない可能性もあります。

 さらに、相続が開始すると家庭裁判所の検認が必要となりますので相続人の手間が増えます。

 簡易的かつ安価で取り組みやすい反面、保管から相続開始までの間に遺言書をトラブルから保護しづらいという不安面があります。

3 公正証書遺言

 公正証書遺言は公正役場で証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の内容を公証人に述べて、公証人が筆記することで作成されます。

 公正証書遺言は公証人という専門家が遺言書作成に立ち会うため、作成にあたって個人に法律知識が無くてもきちんと有効な遺言書を作成することができます。

 また、遺言書の原本は公証役場で保管されるため紛失や他者による偽造の心配もありません。

 そして、自筆証書遺言と違い相続開始時に家庭裁判所の検認も必要としません。

 こうした遺言書の正確性と安全性は公正証書遺言のメリットです。

 デメリットとしては証人を2人用意する手間と、専門家に依頼し公証役場を利用するための費用や公証役場に行く手間や時間がかかってしまうところです。

4 まとめ

 自筆証書遺言と公正証書遺言にはこのような特徴があります。

 それぞれの特徴を理解し、ご自分に適した遺言の方法を選んでいきましょう。

 ご相談いただければご依頼人に適した遺言書の作成のアドバイスをさせていただきます。

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