相続人にならない人
相続人にならない人の種類
法定相続人でも相続人にならない場合があります。主に次の場合があります。
・相続放棄をした人
・欠格事由
・排除
相続放棄
相続は放棄することができます。(民法第915条)相続放棄をするためには相続があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申請することが必要です。
ここで注意していただきたいのは「相続があった日」から3か月ではなく、「相続があったことを知った日から」3か月であることです。この3か月は熟慮期間と言ってその間に相続財産を調査し負債が多い場合や他の事由で相続したくない場合は相続放棄することになります。
一度相続放棄すると積極財産と負債を一切相続することはできません。また代襲相続も発生しないので子供に財産や負債も承継されません。
欠格事由
欠格事由に該当した場合も相続人にはなりません。欠格事由は民法第891条に定められています。
・相続人が故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた場合(民法第891条1号)
・相続人が、被相続人の殺害をされたことを知って、これを告発せず、又は告発しなかった場合(民法第891条2号)
・詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた場合(民法第891条3号)
・詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消され、又はこれを変更させた場合(民法第891条4号)
・相続人が、相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した場合(民法第891条5号)
相続欠格に該当した場合は裁判等の手続きを要せず当然に相続する権利を失います。
廃除
相続人の廃除とは家庭裁判所への請求によって行います。主に虐待や重大な侮辱を受けたことがあると認められれば相続人の地位を奪うことができます。
ただ、虐待や侮辱が軽度の場合は認められにくいようです。
また廃除は「遺留分を有する推定相続人」しか廃除することができません。
「遺留分を有する推定相続人」とは兄弟姉妹のことです。
なぜなら遺留分を有しないものであれば遺言書で財産を渡さないように対策をしていればそれで足りるからです。