相続財産とは何か

文責:司法書士 岡田 智大

最終更新日:2022年12月27日

1 相続財産とは何か

 一般的に相続が発生した場合に相続財産を調査することになるのですが、相続財産とは何を指すのでしょうか。

 相続財産には主にプラスの相続財産とマイナスの相続財産が有ります。

2 プラスの相続財産

 プラスの相続財産は例えば現金、預金、不動産、不動産上権利の有価証券、株券、ゴルフ会員権、電話加入権、があります。

 なお未登記の建物や他人名義の預金等、実質的に被相続人の財産と認められるものであれば相続財産となります。

3 マイナスの相続財産

 マイナスの相続財産とは負債、税金の支払い、未払い金の支払い金、固定資産税、他人の保証人になっていた場合などの債務があります。

4 相続財産とならないもの

被相続人の一身専属的なものは相続財産となりません。

例えば

・年金受給権

・代理人としての地位

・雇用契約における従業員や使用者としての地位

・親権者の地位

・仏壇・墓地・位牌・遺骨

・香典・葬祭費用

・埋葬料・葬祭費・死亡退職金

・生命保険金(故人以外が受取人の場合)

5 相続財産の調査方法

 相続財産の調査方法は不動産であれば市役所に行き名寄帳を取得する方法があります。これは被相続人がその市で所有している不動産をまとめたもので、どの不動産を所有していたのかがわかります。

 ただ、注意していただきたいのがあくまでその市のみ保有している部分がわかるのであり、他の市や他県で所有している不動産がある場合は名寄帳に載っていません。

 他にも権利証(登記済証や登記識別情報通知書)があればそこに不動産の所在が載っているので不動産の所在を確認することができます。また不動産には固定資産税がかかるため、毎年5月頃に各市役所から送られてくる固定資産税課税通知書にも不動産の所在が載っています。

 預金の場合はまず通帳を探します。一つとは限らず、複数の銀行の通帳を保有している場合もあります。最近は通帳がないオンライン口座のみの銀行もあります。この場合はパソコンや携帯のアプリに入っているのでそちらをチェックします。

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